分かりやすい環境問題

昨日より分かりやすい環境問題

昨日のエントリは社会経験の無い人には難しかったようなのでここで簡単な思考実験を考えてみます。

ある日国籍不明の軍隊が現れて、アメリカ軍と交戦し、圧倒的な軍事力でアメリカ軍を撃破しました。その後、その軍隊が主要先進国の政府に次の通告をしました。

・5年後までに化石燃料をエネルギー源にするのを止める事
・ただし、早急にリプレースが困難な用途に限り、全体の5%の範囲内で利用を認める
原子力エネルギーを増やして対処する事は認めない。
・庶民の生活レベルを大きく落とす事も認めない。
・実現できない国は地球上に存続する事を認めないので無条件に攻撃する。


5年後どれくらいの国が化石燃料依存から抜けられるでしょうか?

私は全部の国で上記条件を満たせると考えています。

なぜなら、代替エネルギーは豊富にあり、導入されていないのは導入時のコスト面の問題だけだからです。これを国際的に連携をとりながら各国家レベルで制度化していって対処すれば事務的にはそんなに難易度の高い話ではないのです。
※実際にはエネルギー備蓄、送電路などの問題もありますが、コストの問題に落とせると言う点では同じです。


結果、人類全体がハッピーになる訳です。
※ここでは話を簡単にするために二酸化炭素排出問題だけに絞って話をしています。

「簡単な事務的手続きで人類がハッピーになる」

これがポイントです。

実は貧困・格差・食料などの社会の深刻な問題も「簡単な事務的手続きで」解決できるのです。

しかし、実際は何年経っても全然改善されませんし、むしろ悪化しています。


誰がこの簡単な事務手続きを止めているんですか?

60億人居る一般庶民の中で止めている人は居ますか?

居ないんですよ。

庶民は誰も止めていません。止めないと困る人が止めているんです。

それは社会の上位階層の人たちの中の「利権オヤジ」です。

利権オヤジは社会が変わっては困るのです。

ここで利権とは何かと言うと、

健全な競争が無いために、一部の者が売ったり買ったりする権利を独占した状態における不当要求ができる権利。

です。
社会には理不尽な制度、地政学的な条件、理不尽な慣習など健全な競争が阻まれている所が沢山あり、その一つ一つにびっしりと利権オヤジが張り付いているのです。
エネルギー関係は年間100兆円の膨大な経済になっていて、なおかつ、上記の競争が無いところが多い業界です。ですから、膨大な数の利権オヤジが莫大な権力を誇りつつガチガチの利権構造を構成しています。

とても誰かが何かを変えられるような状況ではないのです。

そして、実は、社会の階層を上がっていくと上の方では誰もがそれぞれの自分の利権を持ち、利権を維持する事で自分の地位を得ています。つまり、庶民では無い人の多くは利権保持者なわけです。より多く、より強い利権を得たものがより発言力が強くなる社会になっているのです。
そんな人たちに、「人類が危ないので人類のために利権を無効化して理想的な社会にしてください」と言って、聞いてくれるでしょうか? また、動いてくれるでしょうか?
そりゃ無理でしょう

彼らは利権で甘い汁を吸い、権力を振るいますが、利権が無くなったらただのオヤジです。誰も口すら聞いてくれません。利権に価値があるだけでオヤジに価値は無いからです。

よって、トップダウンでこの問題が解決する事はありません。
解決をするとしたらボトムアップなアプローチだけです。

ボトムアップなアプローチって何?というと、この事を60億人の人全員が知る事です。極一部の人が自分の利権のために人類を危機に落とし込んでいるという事実を知る事です。

これが昨日のエントリの内容だったのです。